リープフロッグ型経済発展:新鮮に歴史を学ぶ視点

リープフロッグ型経済発展:新鮮に歴史を学ぶ視点
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リープフロッグとは

リープフロッグ(蛙とび)とは「飛び越える」現象のことです。

変化や発展のモデルを過去に設定したキャッチアップの発想とは違って、リープフロッグ型経済発展に設定します。そのため歴史的な事象がかえって新鮮に理解できます。

具体的には次の記事をご覧ください。

事例

リープフロッグ型経済発展の有名な事例は中国の IT技術です。

中国のIT会社・ECコマースのアリババ(Alibaba)や京東(JD)は、同時決済システムというプラットフォームを確立しました。

このシステムでは、商品が購入者の手元に届いて確認ボタンを押すと、初めて販売者に入金されます。この決済システムが中国の方たちから信頼を得られ、2010年代にECによる購入が急増しました。

毎年11月11日になると「独身の日」というセールデーが開催されます。EC各社が大規模なセールを行ないます。

2021年、アリババと京東の2社だけで約15兆円を売り上げました。この規模は小さな国の国家予算並みであり、また、日本の楽天市場が1年間で売り上げる規模でもあります。

リープフロッグの反対概念と第三のカエル

2022年2月8日に朝日新聞が配信したニュース「オンライン診療、コロナ禍で一気に拡大 薬局から薬の配送も」がリープフロッグの反対概念として絶好の事例になります。

反対語・反対概念

リープフロッグの反対語に「ゆでガエル」が挙げられます。カエルを常温の水につけて徐々に水の温度を上げていくと気づかないまま死ぬという意味です。反対にリープフロッグは急に熱湯をかけられたカエルにたとえられます。

ゆでガエル論は実証的に間違ってると言われますが、ここで問題にしたいのは、リープフロッグと「ゆでガエル」が反対関係にないということです。

これを説明するために先の朝日新聞の記事をみてみます。

記事は「新型コロナウイルス感染症の流行で」オンライン診療が急速に広がっているという趣旨です。

中国や台湾のようなスムーズに感染症対策を行なった事例を知っていれば、この朝日新聞の記事を読んだとき、2年前のニュースかと思ってしまいます。この記事が言っている話は中国や台湾では2年前に実現していました。

もちろん、オンライン診療が拡大すること事態は良いことなのですが、理由を示す接続詞に違和感を覚えます。「ん?今更?」です。

新聞が書くべきは、2年間ものあいだオンライン診療が広がらなかった理由です。そして、今になってオンライン診療が急に広がった理由です。

第三のカエル

この記事の時代遅れ感(浦島太郎状態)は「ゆでガエル」でしょうか。この論の賛否はともかく、新聞社も日本政府も、中国の急速な経済発展という熱湯と、コロナ禍という熱湯に入れても気づかなかった(寝てしまった)のです。

ゆでガエル論では常温を熱していくので、日本の新聞社や日本政府のように《熱湯に入れても気づかない》《熱湯に入ると寝てしまう》という新しい生態型をもつカエルが「発見」されたわけです。

第三のカエルが誕生した背景は、野口悠紀雄氏の「「中国の工業化」を利用できず韓国に抜かれた日本の大失策」が参考になります。

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