カフェ・レポートの書き方:写真と文章

書く技術
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カフェが世界中で広がっている状況のなか、パンチの効いたカフェ・レポートを書くことはいろんな点で勉強になるので楽しいです。

このページでは、カフェ・レポートを書くために必要な心構えスキルについて、写真撮影文章執筆の2点から説明しています。

実践例はこちら。

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カフェの現状と問題点

カフェの現状

そもそもカフェはコーヒーや紅茶を飲んだり、いろんな料理を食べたりして寛ぐ場所ですが、世界的に次のような傾向にあります。

  1. 30代・40代の個人経営者のカフェ
  2. 60代・70代くらいの個人経営者のカフェ
  3. スタバやドトールなどのチェーン店

日本(および世界)のカフェはこれら3種に大別されます。

利用者からみた問題は、これら3点に極端に分かれ過ぎていることです。

もう少し経営者側の世代や店員の世代が散れば、利用者も無難に散るように思います。

京都を例に考えましょう。

カフェの多くが1に該当します。一部に老舗の「六曜社」なども含まれています。

1は経営努力が伝わりますが、観光地を中心とした一か所に集中しすぎています。たとえば、京都の烏丸御池から祇園四条にかけてや、大阪の中崎町から北浜にかけて、などです。

2は経営努力が無さ過ぎで、レンジでチンのスパゲティとか、インスタントのコーヒーとか…。自家焙煎の焙煎がレンジにしか読めないような…。

カフェの問題点

とはいえ常連になりやすいのが2や3です。

  • インスタ映えを念頭に写したい
  • ゆっくりと人と話したい
  • 美味しいコーヒーやサンドイッチを食べたい

といった欲望を全て実現させるには、1・2・3のどのタイプも辛い所です…。

カフェのなかには、料理が美味しい人気カフェでは時間制や予約制を導入している所もあります。

カフェ乱立の状況が落ち着きそうな2020年代前半までに常連客となれるようなカフェに出会えるかどうか。私の悩みは尽きません…(笑)

大学生たちも乱立するカフェには閉口することがあるようです。

最近は「カフェ」ではなくレトロな「純喫茶」にハマっています。硬いプリンが好きです。カフェだとコーヒー1杯600円とか取られることが多くて意味がわからないです。

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カフェ・レポート : 撮影と執筆

カフェ・レポートを書く理想的な環境はカメラ(スマホでもOK)とパソコンです。

文字だけなら料理の容姿やカフェの外装・内装が伝わりにくく、随所に写真を入れる方が説得的になります。

以下では撮影と執筆に分けて、便利なツールやコツをお伝えします。

カフェ・レポート用の写真撮影

カメラはデジカメでも一眼でもスマホでも構いません。

あくまでもレポートですから執筆が大切であって、撮影機や撮影技術は最重要項目ではありません。

撮影時の留意点

写真撮影は肖像権をはじめとする法令がそこそこ制約しています。

とはいえあらゆる法令に熟知することは難しいので、ルールや慣習を大まかに知っておくことが必要です。

紙媒体やインターネットなどにカフェ・レポートを公開する場合の留意点を以下に列挙します。

  • 他の客が写った写真を使わない。他の客が写った写真は個人で閲覧する程度に留める。
  • カフェの外装や外見は概ね撮影許可が得やすい。勝手に撮っても許されやすい。
  • 店内や料理・飲み物はカフェによって撮影可能な所と撮影不可の所に分かれる。だいたいは、勝手に撮っても許されやすいですが。
  • ゆっくり撮影するには、どこ・何を撮して良いかダメかを店員に尋ねる。この方法が意外に手っ取り早く、また撮影者も気楽に写せるので写真レベルが上がりやすいです。

撮影の工夫

料理は日光やライトの加減で美味しそうに見えたり傷んでいるように見えたりします。

画像が暗ければ料理が傷んでいるように見えます。どんなカメラや被写体や状況を超えて大切なのは自然光。

とりあえずは、次のような方法が手っ取り早いです。

  • 日光が全体的に入るように窓際で撮影する。…カフェの場合は太陽側の席を確保する。
  • 電灯しか入らない場合は影を工夫する。…影を含めて映えるように写したり、影を排除するよう加工したりする。
  • 影を工夫する。…影を排除する場合は、立ちあがって、出来るだけ撮影ポイントを高くして、拡大(ズームアップ)。影を採り入れる場合は、輝かせたい物・箇所と対照させる(コントラストを効かせる)。
  • 壁も料理も2つの角度と自分の得手不得手を考える。…水平に映すのが良いか(得意か)、顧客目線で斜めから映すのが良いか。

細かい技術は、インターネットなどでコツを調べて工夫することも大切です。

カメラの設定方法や写し方のコツを具体的に書いているサイトをいくつか挙げておきます。

証明写真は必要

なお、大学の演習などでカフェ・レポートを書く場合は、参加者全員の顔がわかる写真を1枚~2枚は撮すことが大切です。

その目的は、カフェ調査に行った参加者を把握したり全参加者を証明したりするためです。1人で調査に行った場合でも大切です。

店頭に並んで1人写真または集合写真を写しておきましょう。また、店内で飲食している時の全員の写った写真もあった方がいいです。証明になるだけでなく、活き活きした姿が伝わりやすい。

メモのコツ

調査時はメモも忘れないでください。

報告に向けて、≪飲食+ちゃんとした準備≫もしておいてください。あとあと楽ですから。

メモは筆記でもいいですが、メニューなど分量の多い基本情報は水平撮影して写真に残すのもいいです。メニューを撮影しておくと店を出た後でも情報を正確に確認でき、筆記ミスを軽減できます。

メニューをレポートに反映させるとき、お店のメニューに記された表記を優先しましょう。

ブラジル産の有名コーヒー「イエローブルボン」(Yellow Bourbon)。

一例に、上に紹介したメニューを確認します。

ブラジル産の有名なコーヒー「Yellow Bourbon」は、上のメニューで「イエローブルボン」と記されています。英語表記に釣られて「イエロー・ブルボン」とは書いていない点に注意。カフェ・レポートでは店の表記に合わせること。

他にも、イチゴタルトなのかイチゴ・タルトなのか苺タルトなのか。店のメニューに合わせます。

ただし、複数のレポートを書いて比べたり積み上げたりするとき、あなた自身で表記を統一することも大切です。あるレポートでイチゴ・タルトと書いて、別のレポートで苺タルトと書いてしまうと、後でファイル検索(文書検索)をしたとき、漏れることがあります。レポート(文書)の最後に表記の揺れをなくす用語集をまとめておくと良いです。

写真と文章を繋げるために

あなたの思想

写した写真は、文書作成ソフトや報告用ソフトなどを使って、文章の合間に貼り付けていきます。

どの写真が綺麗か、どの写真が相応しいかなどは、撮影時に決定できる事ではありません。

上手に写すことは大切ですが、文章執筆時に取捨選択するほうが撮影時は気楽になれます。撮影時は同じような写真でも多めに写しましょう。といっても、多すぎると見返したときにゾッとしますが。

また、写真に文章を添えるよりも、文章に写真を添える方が、レポートとして写真が活きやすいことも肝に銘じてください。

写真や映像が言語を要求してしまうという難しい問題を、いまだに人類は抱えています。

写真に添えられた言語や文章はとかく貧相になりがちです。ファッション雑誌やカタログに付されたような、枯れた文章を思い出してください。

おすすめアイテム:グーグル・フォト

スマホで撮影した写真はスマホ本体だけでなく、パソコンとインターネット上に保存することをお勧めします。

とくにインターネットでは撮影時に保存できるので便利です。このようなサービスはいくつかあります。グーグル・フォト、Yahoo!ボックス、Flickrなどです。

これらのうち、私はグーグル・フォトを強くすすめます。グーグル・ドライブと連動させると検索力が上がり、写真整理も文書整理もやりやすくなります。

カフェ・レポートの主題の選び方

カフェ・レポートをまとめるにあたって主題を選ぶコツをまとめておきます。

これまで複数のカフェに行ったことを踏まえてレポートを書いてください。

そのためにはひとつのカフェ、特にあなたの気に入ったカフェをもとに他のカフェと比較して書くことが無難です。

もし、一つ一つのカフェを小テーマ(立地、コスパ、内装ほか)ごとに比較しながら書いていくと混乱したレポートになやすいです。

したがって一つの店を軸に他店を比較して書くのが無難かなというところです。

あなたのテーマやイメージをもとに

また、自分自身がこだわる一つのテーマに沿ってカフェ・レポートを書く方法もあります。あなたのテーマやイメージをもとにして、行ったカフェすべてを比較する方法です。

たとえば昭和レトロとかシノワズリとか、そういったテーマから見ると、カフェがテーマに近かったかどうか、テーマとの距離を測りながら書く方法もあります。

ただし、あなたの気に入ったカフェをもとに他のカフェと比較して書くことが無難でしょう。

昭和レトロなどのテーマは人によって意味合いが違うからです。レポートのスタートからそういった曖昧な概念を使うのは、ブレたレポートになりやすいです。

カフェに関する文献をもとに

文献は、あなたのカフェ・レポートをしっかり深くするものとして必要です。雑誌・論文・書籍などをもとに書いて下さい。

どれだけの分量を参照すべきかというのはいろんな説がありますが、カフェが注目されて新しいことをふまえると、雑誌1記事、論文1本、本の1章の単位では10本から15本ほど。書籍をすべて読む必要はありません。

書籍のなかの章で自分が取りくみたいテーマを絞って選びます。1冊で4章ほど使えることもあれば、1章しか使えない場合もまったく使えない場合もあります。

文献を調べる方法はこちらをご覧ください。

コーヒーの歴史も少し知っておくと、カフェめぐりを長期的に楽しめます。

カフェ・レポートの執筆

レポートの流れ

写真撮影、写真保存を終えて、いよいよカフェ・レポートの執筆に取りかかります。

レポートの形式は次のように整えると書きやすいでしょう。

  1. 店名・大雑把な住所・カフェ最寄駅からの行程を記す。
  2. 店頭の写真を入れる。店頭の印象を記す。
  3. 行った経緯・日時・人間を記す。
  4. 料理の写真を入れる。料理の感想を述べる。
  5. 店内の写真を入れる。内装やアイテムの感想を述べる。
  6. まとめとして、店名・住所・電話番号、休日・営業時間などの基本情報を正確に記す。

1と3は重複する場合があるので、あまり神経質にならず適当に。

6はネット検索をして明記しましょう。

カフェの公式サイトやフェイスブック公式ページなどのリンクを押さえておくことが大切です(存在しない場合は、ぐるなびや食べログなどのページを明記する)。

レポートの執筆

味の説明方法

味を説明する時に注意すべきは、雑誌や本やネットなどのキャッチフレーズは使わないことです。

上述したとおり、それらのキャッチフレーズは枯れているからです。もちろん、雑誌・テレビなどで評価されたランキングや文章も無視。

ましてや、まとまとタイヤ・メーカーだった会社が自社ブランドを再建するために飲食系でランキングを始めたミシュランなど、もっての外。

とはいえ味の説明は難しいです。味覚の言葉はどの言語でも乏しいです。

そこで次のような対策を講じることをお勧めします。

  • 10代以上の女性と飲食をともにして、彼女たちの感想を覚えておく。女性は食べ物や飲み物(材料込み)の説明と感想の両方が上手だからです。
  • 中国人・香港人・台湾人と飲食をする機会を積極的に設ける。日本人の飲食材に対する知識は絶望的に乏しいからです。
  • あなた自身の言葉や、飲食を共にした知人の言葉だけでなく、周囲の顧客の言葉を参考にする(盗み聞きでOK)。また機会があれば店の人とも話をして、味付けの方法や調理へのこだわりを教えてもらう。また、そのこだわりが味に反映されているか判断したり吟味したりする。
  • 自分の舌や胃に料理や飲み物がやってきた描写を丁寧にする。ただし、舌や胃はホルモンなので乱用は控える(多用するとお下劣になる)。

店の説明方法

外装と内装に分けて簡潔に説明しましょう。

同時に、カフェがどんな雰囲気をもっているかを説明する1語を想起しましょう。

たとえば、昭和レトロ、60年代風、70年代風、シノワズリー、ロココ調などです。その上で、1語と簡潔説明とを繋げる1文か2文を踏み込んで考えましょう。

この1語を手がかりに、他のカフェと共通点や相違点を比較していくと、考察も深まっていきます。

まとめ

味覚の偏差値を上げるには嗅覚も大事になります。

また、それらの印象を文章にまとめるに際して、視覚や聴覚も大切になります。

このページでは、カフェ・レポートを書くために必要な心構えやテクニックについて、写真撮影と文章執筆の2点から説明してきました。パンチの効いたカフェ・レポートを書くヒントになれば幸いです。

私の担当してきた授業のカフェ・レポートから共通して読みとれる問題点やコツをまとめておきます。

  1. 行ったカフェをもとに書く。調べたカフェは無視。
  2. 行ったカフェだけで書き終えない。よって授業に関係なく行ったカフェも盛り込んでOK。
  3. 「スタバなどの大型チェーン店」のような「など」表記に注意。「など」は「and」と思ってください。2つ以上の類似言葉を要求すると思ってください。
  4. 冒頭と結論が同じテーマかどうかを確認してください。冒頭で宣言したレポートの趣旨と結論がズレている方々が多かったです。
  5. 結論やまとめの箇所に、今後の課題のようなものは要りません。

最後に、レポートを書くときの文法や文章構成に悩んだら、次の項目を参考にしてください。

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