CiNiiで本や論文をさがす文献調査

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大学に入学すると図書館や情報処理センターなどの職員さんから、レポートや卒論に本や論文を探す文献調査のやり方を教えてもらいます。

レポートや卒論を書くとき、できるだけテーマに沿った文献を集めて、文献の傾向を分けたり内容の整理を行なったりします。

レポートや卒論を書く基本は文献調査です。

そして、文献調査の基本は文献検索です。レポートではともかく卒論では、図書も大切ですが論文も大切です。

文献検索の基本は、あなたが調べたい「語句」や「著者名」、「語句」はできるだけ3~5つくらいを用意しておきたいところ。

研究ではよく「キーワードをやっと3つまで絞れた」というようなことが頻繁に出てきます。

 

語句(キーワード)を絞るという作業は、すでに勉強を進めている証拠になります!

以下では、スマートフォンで検索すること念頭におきます。パソコンの方が閲覧性が上がるので、よほど急いでいないときは自宅や大学図書館のパソコンを使ってください。

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OPACを使った学内図書館の文献調査

おもにOPACを使って学内図書館の蔵書検索をするのがメインです。

大学が所蔵する文献がOPACで探せます。

ふだん、授業を受講するときや短いレポートを書くときはOPAC検索を使って数冊の本を借りればOKです。

長いレポートや卒論(卒業論文)に本や論文を探すとき、OPACだけでは調査不足のことが多くなります。

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この記事でわかること

この記事ではレポートや卒論に本や論文をさがす文献調査のやり方を解説します。とくにレポートや卒論むけにCiNiiで本や論文をさがす方法を説明しています。

文献調査のやり方は次のように分けられます。

  1. 今昔の本(書籍)をさがす
  2. 今昔の論文をさがす

ふだんの大学授業で出されるレポートは「1」で十分、卒論には「2」まで使えばさらに十分。

本も論文も文献上で2次資料といわれます。

卒論では一次資料(オリジナル・データ)も大切になりますが、これは別の記事で説明します。
今回は2次資料の2つの種類、つまり本と論文のOPAC検索に絞って説明ます。

地域図書館の蔵書の限界

あらゆる大学は図書館の所蔵本を増やしてきましたし、電子書籍が増えた今の時代でも多少の蔵書は増やしています。

それでも、1にあたりでも世界中で膨大に出版されている本を集めることは大変。金額だけでなく蔵書スペースも足らなくなります。

つまり、大学には刊行された本や雑誌のごく一部を収めているにすぎず、一言すれば「足らない」のです。

だからといって、自宅近所の図書館へ行っても状況は悪くなるだけ。自治体図書館の蔵書数は大学図書館にくらべて、ふつう微々たる状況です。

ここで、レポートや卒論に本や論文を探す文献調査のやり方を知っておくのがいいです。

レポートや卒論むけにCiNiiで本や論文をさがす方法

文献調査のやり方は次のように分けられます。

1と2では同じインターネット・サービスを使います。

このサービスは国立情報学研究所「CiNii」が提供しているもので、①論文、②図書・雑誌、③博士論文などの学術情報を検索できるデータベースです。「サイニイ」と読みます。

1と2ではCiNiiを使います。

CiNiiのウェブサイト

CiNiiのウェブサイト(https://ci.nii.ac.jp/)のトップページ画の上部は次です。

いきなり論文検索をできる使用になっています。

論文検索のほかにも著者検索と全文検索ができます。

全文検索は、公開されている論文だけを対象に、論文全部を丸ごと検索できます。

論文検索(今昔の論文をさがす):CiNii Articles

論文検索をする目的は、収録する雑誌から論文を検索するか、PDFなどで公開されている論文をダウンロード(と印刷)するかのどちらか。

「論文検索」「著者検索」「全文検索」のどれも使えますが、全文検索では非公開論文が検索にひっかからないことが多いので、「論文検索」か「著者検索」をします。

「全文検索」も一応チャレンジしておくといいです。

「論文検索」と「著者検索」の使い方

論文名にある語句をいくつか知っていれば「論文検索」で語句を入力して、検索結果からさがしていきます。

著者名を知っていれば「著者検索」をして、検索結果から著者をクリックし(同姓同名者がたまにいるので検索結果一覧からどの著者かを判断する)、表示される一覧から選びます。

「論文検索」か「著者検索」のどちらをどう使うか

論文をピンポイントでさがし、丸ごと閲覧や印刷などをしたいものです。

論文検索

ですから私はよく論文検索をします。検索語句を2つ3つと入れることで、読みたい・読むべき論文を探すには一番の近道になります。

しかも論文題名が検索対象で、本文は検索対象外ですから、ピンポイントの論文をさがしやすいです。

検索結果一つ一つを見ると J-STAGE機関リポジトリ と記されたオレンジ色のマークが付いています。これらは、インターネット上のまま、またはダウンロードしてから閲覧できることを示しています。

「J-STAGE」や「機関リポジトリ」はいずれも無料で会員登録なしでダウンロードできます。

これで、読みたい論文や読むべき論文も意外に手元に呼びよせられます。

便利な時代になりました。

残る問題は「CiNii Articles」に過去のすべての論文が掲載されているわけではない点と、「J-STAGE」や「機関リポジトリ」のオレンジ色マークが付いていないものはデジタル化されていないのでダウンロードできない点です。

こういうダウンロードできない論文も、多くは「CiNii Articles」に情報として登録されているのだと期待し、いずれ現物をさがす目標メモをコピペで作りましょう。

そして、当該論文を掲載している雑誌が製本雑誌としてどの大学図書館にあるかを突きとめます。

それを担うが「CiNii Books」の「大学図書館の図書を探す」メニューです。このメニューには「すべての資料」「図書」「雑誌」の3項目があり、「雑誌」ボタンを押して雑誌名を入力して「検索」ボタンを押します。

こうして、さがしたい雑誌と巻号が自分の大学にあるか、なければどこの大学にあるかを突きとめてください。自分の大学の図書館から複写依頼をお願いします。

著者検索

ただ、勉強を進めていくと、読みたい論文や読むべき論文の著者が重なってくることがあります。

こういうときは著者検索をしましょう。

ただ、この著者の書いた論文を5本も10本も読むときは、どうしたらいいでしょうか。

これにはもう一つの調査方法があります。

「本を書いているか」を調べます。

だいたい大学教員や研究者は数本の論文を書いたあと、まとめ直したり整理したりして本にするパターンが多いです。

もし出版しているなら、本も検索してみましょう。

この場合は書名を知らないことが多いので、論文著者名と同じ文字、つまり本の著者名で検索します。

図書検索(今昔の本・書籍をさがす):CiNii Books

図書検索をする目的は、借りてすべて読むか、該当しそうな箇所をコピーしたり読んだりするかのどちらか。もし全文検索できる本があっても目的は同じです。

許されるコピー量はだいたい図書館のコピー機近くに「著作権法」からの抜粋が載っているので目をとおしてください。

CiNiiのスマホ版では右上の「三」マークをタップすると、次のメニューが下りてきます。

このメニューから「大学図書館のほんをさがす」をタップします。

「日本の博士論文をさがす」は、大学院に進学してから使うくらいでOKです。博士論文は刊行された数年後に研究書にレベルアップして出版することもあるので、とりあえず無視でOK。それに、2000年ころから日本文科省はアメリカの物まねして博士号を乱発したので、とくに文系の日本の博士論文はカス・ペラだと思っておいてOK。

「大学図書館の本をさがす」をタップすると次の画面に移ります。

メニューには「図書・雑誌検索」「著者検索」「内容検索」があります。

検索結果を説明します。

左側リンクの文字列が青い部分が「大学図書館所蔵」の大学リストです。その行の右端を見ると「OPAC」のボタンが活きている場合は緑色、死んでいる場合はグレー色になっています。

自分の大学の緑ボタンを押しても他大学のボタンを押しても、各大学図書館の検索結果をそのまま表示するという優れもの。

もし自分の大学に必要な本がない場合は、自分の大学で図書借用依頼をして、他大学図書館からの図書到着を待ちましょう。先方で行なったコピーの代金を支払うが必要になります。

内容検索

私はほとんど使ったことがありませんが、本の「内容検索」も魅力的。もちろん、全文検索できる本は限られているでしょうが。検索結果が散るようで好きになれません。

論文検索と同じように、3つの検索方法のうち左2つの「図書・雑誌検索」「著者検索」の2つで読みたい本・読むべき本を絞っていきましょう。

まとめ

この記事ではレポートや卒論に本や論文をさがすために、OPACを使った学内図書館の文献調査のやり方を説明しました。

CiNiiの画面説明がほとんどだったので、OPACでの検索結果の見方を説明していません。

この点に関してはあなたが所属する大学図書館から説明されたりパンフレットをもらったりしているはずですから、そちらをご参照ください。

文献調査のやり方は次のように分けられます。

  • 今昔の本(書籍)をさがす
  • 今昔の論文をさがす

ふだんの大学授業で出されるレポートは「1」で十分、卒論には「2」まで使えばさらに十分です。

文献検索には、あなたが調べたい「語句」や「著者名」、「語句」はできるだけ3~5つくらいを用意しておきましょう。手書きメモでもスマホメモでも構いません。あなたに必要な語句を絞っていくことが勉強のはじまりです。

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