日本語学習者の日本語能力試験と日本留学試験

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日本語学習者が受験する日本語能力試験と日本留学試験の概要です。

  • 日本語能力試験(JLPT)
  • 日本語能力試験(JPT)
  • 日本留学試験(EJU)
  • 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-BASIC)

これらを説明しています。

また、日本語教師が受験する日本語教育能力検定試験もご紹介しています。

日本語能力試験と日本留学試験

日本語能力試験(JLPT)

日本語能力試験(JLPT)

日本語試験の基本です。日能試とも。

日本語能力試験(JLPT)は、日本国内や海外で、日本語を母語としない人を対象として、日本語の能力を測定したり認定したりします。

大きなメリットは二つあります。

  1. N1・N2の合格者は日本の出入国管理上の優遇措置を受けるためのポイントが付与される
  2. 学校での単位認定や卒業資格認定や、企業での優遇措置が受けられる

段階評価を採用し、N1からN5まで5段階のレベルがあります。国際交流基金日本国際教育支援協会が共催しています。1年に2回おこなわれます。詳しくはこちら(公式サイト)をご覧ください。

日本語能力試験(JLPT)は1984年にスタートしました。スタート時は4級から1級までの4段階でしたが、2010年から3級と2級の間に1つのレベルを設置し、N5(初級前半レベル)からN1(上級レベル)までの5段階となりました。

現在、能力の測定に尺度得点が導入されています。この測定法は、共通の尺度にもとづいて表示するものです。

  • 総合得点が合格点以上
  • 各得点区分の基準点以上

の2点をクリアすれば合格になります。

教科書

問題集

辞典

参考書

会話や例文を作るときに、次のような本を参考にしています。

日本語能力試験(JPT)

日本語能力試験(JPT)は、日本語を母語としない 人を対象として、日本語の能力を測定します。

とくにビジネスを含む日常的な場面を重視して出題されます。 JLPTと違うのは、得点の無段階評価を採用している点です。試験は一般社団法人の日本語能力試験実施委員会が主催しています。1年に12回おこなわれます。

詳しくはこちら(公式サイト)をご覧ください。

日本留学試験(EJU)

日本留学試験(EJU)は、外国人留学生として日本の大学・大学院などに入学を希望する人が受験します。

日本の大学や大学院で必要になる日本語力や基礎学力の評価を行ないます。

日本留学試験(EJU)は、独立行政法人「日本学生支援機構」が主催しています。2002年から実施され、多くの大学が外国人留学生の入試選抜に利用しています。

この試験に合否はなく、合格基準は採用側が決めます。試験は年に2回実施され、日本語200点+記述50点、総合科目200点、理科200点、数学200点のうち、記述以外が尺度得点として測定されます。

試験の前身は私費外国人留学生統一試験でした。

これは財団法人日本国際教育協会が主催し、毎年1回実施していました。この試験の難点は、受験のために来日する必要があったことです。グローバル時代の試験として渡日前入学許可を推進する目的から、日本留学試験(EJU)に変わりました。

詳しくはこちら(公式サイト)をご覧ください。

国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-BASIC)

国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-BASIC)は、日本の生活でコミュニケーションに必要な日本語能力を測定します。

「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力」があるかどうかを判定するテストです。国際交流基金が主催しています。

このテストは「CEFR」(Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment/ヨーロッパ言語共通参照枠)や、CEFRに沿って国際交流基金が「相互理解のための日本語」を理念とする日本語教育として開発した「JF日本語教育スタンダード」(JFスタンダード)の考えにもとづき、「日本語で何がどれだけできるか」を測ります。

詳しくはこちら(公式サイト)をご覧ください。

「みんなの日本語」初級(第2版)本冊、スリーエーネットワーク、2012年

日本語教育能力検定試験

日本語教育能力検定試験(JEES)は日本語教員をめざして学習している方や、日本語教育に携わっている方に、必要となる基礎的な知識・能力を検定します。

日本語教育能力検定試験は日本国際教育支援協会が主催しています。

詳しくはこちら(公式サイト)をご覧ください。

日本語教育関連機関

日本語学習者が受験する日本語能力試験と日本留学試験は以上です。

これらを主催・共催する日本語教育関連機関はこちらをご覧ください。

これらの機関の詳細にくわしくなる必要はありませんが、日本語学習者や日本語教師むけに各機関が出すイベントには注目しておくと有益です。

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