カフェ巡りの経済地理学
今回は、カフェ巡りから経済学的な考え方をとりあげます。
とくに地理と歴史の要素もとりいれて、みなさんと一緒に、経済地理学や経済史の見方を学びます。
コーヒー飲みますか?:カフェの発展とコーヒーの需要
カフェが発展するためには、顧客が店舗へ来る必要があります。
ですから、カフェ周辺の地域にコーヒーを飲む顧客層が少しは存在する必要があります。
コーヒー需要(受容)が定着するまで、それなりに時間がかかります。個人史では10代の利用は少なく、20代からだんだん増えていく傾向があります。
ヨーロッパ
世界経済の歴史をみても、アジアはもちろん、ヨーロッパやアメリカでもコーヒーがすぐに人気になった訳ではありませんでした。
ヨーロッパにコーヒーが伝来した時期は17世紀、経由地はトルコでした(地中海貿易の一環)。
そのあと、カフェ(コーヒー・ハウス)が乱立しましたが、18世紀から19世紀にかけて、いろんな理由からヨーロッパ各地でコーヒーの禁止・解禁が繰り返されました。
たとえば…。
- スウェーデン王国…国王グスタフ3世(1746年~1792年) は人体へのコーヒーの影響を実験。紅茶vsコーヒー。実験内容と結果は?
- プロイセン帝国…1777年、フレデリック大王がコーヒー禁止令を発令。ビールvsコーヒー。なぜか?
日本
日本では、17世紀にオランダ経由でコーヒーが伝来しました。その頃はオランダ人居留地だった出島周辺でコーヒーが知られていた程度。
19世紀中期の開港以来、コーヒーの消費が増えはじめました。1920年代、1960年代、2000年代などにカフェブームが起こりました。
中国
中国では、1912年に建国された中華民国の時代にカフェブームが起こりました。
長い戦争の時期(日中戦争と国共内戦)や西洋文化拒絶の時代(文化大革命)を経て、中国でふたたびコーヒーを飲む習慣が増えてきたのは2010年代になってからです。
それとともに、いま中国ではコーヒーの生産(コーヒー豆の栽培)から消費(コーヒーの飲食機会とカフェの増加)までをトータルに拡大する動向が進みました。
2010年代に上海をはじめとする都市部でカフェが急速に増加しました。スターバックスなどの外国企業や国内企業です。
他方、コーヒーを提供する(供給する)豆の栽培業者も編成され、コーヒー豆の栽培地に選ばれた雲南省で雲南コーヒー豆の栽培から加工までが行なわれるようになりました。
カフェと喫茶店
- 調理・加熱の有無
- アルコール提供の有無
- 語源(coffeeとcafe)
GoogleMap で確認するカフェの広がり(京都・大阪・奈良)
京都と大阪のカフェの広がり
大阪のカフェの地域的な偏り
- 中崎町と北浜のカフェ
- 中崎町と北浜の歴史
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