国際交流基金は日本語教育・日本語学習を促進する中心的な機関です。
学術や芸術などの文化交流、日本語教育や日本研究の助成を含めた交流事業を行なっています。
このうち交流事業では、日本語教育法や日本語学習法の開発、海外日本語教育機関ネットワークの運営、日本語教育に関する活性化支援などをおこなっています。
日本語学習促進の中心機関:国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
独立行政法人国際交流基金(The Japan Foundation)は、世界の全地域において総合的に国際文化交流事業を実施する日本で唯一の専門機関。
2022年現在、本部(東京)をはじめ、世界24カ国25拠点と国内2つの附属機関と支部(京都)があります。海外25拠点うち2箇所はアジアセンター連絡事務所、国内の2附属機関は日本語国際センター、関西国際センターです。
歴史
2003年に独立行政法人化。
1972年、国際文化交流事業を推進するために外務省管轄の特殊法人として設立。
活動
- 各国で日本語教師の養成、日本語教育に関する学会、教師会などの「JFにほんごネットワーク」(さくらネットワーク)をとおした日本語教育の推進
- CEFRの日本語版としての「JF日本語教育スタンダード」の普及(コースブック『まるごと』)
- 海外日本語教育機関調査(3年に1度)
- 日本語能力試験(日本国際教育支援協会と共催)の主催。おもに国内担当が日本国際教育支援協会、海外担当が国際交流基金です。
JF日本語教育スタンダード
JF日本語教育スタンダード(JF Standard for Japanese-Language)は国際交流基金が作成した日本語の教え方・学び方・学習成果の評価の仕方で基準になるツールです。
CEFRの考え方をもとに作成されています。日本語教育現場のコースデザイン、教材開発、評価に活用できます。
各レベルの活動(Can-do)で構成され、実社会で行なう具体的な言語活動をめざします。日本語で何がどれだけできるかという熟達度が記述のもとになっています。
この考え方にもとづいて、新しい日本語教科書『まるごと 日本のことばと文化』シリーズが順次刊行され、Webサイトで公開もはじまっています。
この教科書『まるごと』はタスクシラバスで構成されていて、海外の国際交流基金の日本語講座などでも使われ始めています。
JFにほんごネットワーク(さくらネットワーク)
2008年から国際交流基金が主導している海外の日本語教育機関ネットワークです。
2021年12月現在、約90か国357機関・団体がメンバーになっています(国際交流基金 – JFにほんごネットワーク)。これらの機関と連携して国際交流基金は様々な支援活動や助成事業を行ない、海外における日本語教育の質向上や活性化支援をめざしています。
経済連携協定(EPA)日本語予備教育事業
国際交流基金による派遣事業の一つです。
経済連携協定(EPA)にもとづいて、来日を希望するインドネシア、フィリピン人看護師・介護福祉士候補者を対象に、現地で約6か月間、初級から中級程度の日本語教育を行なっています。
受講生は日本の看護師・介護福祉士資格の取得をめざします。授業は週5日間12~15時間で、日本語講師と現地講師が組んでのチーム・ティーチングで行なっています。
日本語教師にとって、高いモチベーションをもった学習者に日本語を教えることができることが魅力になっています。
情報の検索・閲覧
国際交流基金(JF)独自の蓄積・集中化された情報を検索・閲覧できます。
おもな情報は図書・教材・文献データベース・活動報告書などです。
- 図書館資料検索
- 文化芸術交流
- 日本語教育
- 日本研究・知的交流
- 国際文化交流に関する調査・研究
まとめ
国際交流基金は日本語教育・日本語学習を促進する中心的な機関です。
学術や芸術などの文化交流、日本語教育や日本研究の助成を含めた交流事業を行なっています。
具体的な事業活動には次のようなものがあります。
- JF日本語教育スタンダード…CEFRの考え方をもとに日本語教育現場のコースデザイン、教材開発、評価を作成。JF日本語教育スタンダードの考え方にもとづく、コミュニケーション能力の向上を目標とした課題遂行型の授業例「JFS授業案」を公開。この授業案にはA1~B2のレベルがあります。
- JFにほんごネットワーク(さくらネットワーク)…海外の日本語教育機関ネットワークをとおして支援活動や女性活動を実施。
- EPA(経済連携協定)日本語予備教育事業…経済連携協定(EPA)にもとづいた来日希望者を対象にした日本語教師を現地へ派遣。
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