五十音図:国語学習や日本語学習の基本

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五十音図(ごじゅうおんず)

日本語の五十音図とは、母音と子音にもとづいて50個のひらがな・カタカナを並べた表です。

漢字文化圏ではない日本語学習者には少し難解ですが、50個ですから慣れてほしいところです。

  1. 「ない形」があ段にくると、動詞グループ1です。
  2. 「ない形」がい段え段にくると、動詞グループ2です。

五十音図国語学習日本語学習の基本となる表です。

外国人を対象に行なう日本語教育では動詞の活用が出るたびに五十音図を掲げて、かなり丁寧にくりかえし学習を行ないます。

幼児教育の国語でも日本語教育の日本語でも、学習の早い段階で慣れていってください。

慣れていくと動詞の活用を学ぶときに、かなりスムーズに授業が進みます。

日本語教師の方はこれを印刷して授業にご活用ください。

五十音図(1)ひらがな縦

五十音図(2)ひらがな横

五十音図(3)カタカナ縦

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五十音図の歴史

平安時代の前、五十音図の文字の配列は「あめつち」「たみに」「いろは」で示されていました。

平安時代の末、五十音図の文字配列の「ア・イ・ウ・エ・オ」という列の順序が固定されました。

「ア・カ・サ・タ・ナ・ハ・ヤ・ラ・ワ」という行の順序が現行どおりになったのは江戸時代以降です。

あめつち

  • あめ(天)
  • つち(地)
  • ほし(星)
  • そら(空)
  • やま(山)
  • かは(川)
  • みね(峰)
  • たに(谷)
  • くも(雲)
  • きり(霧)
  • むろ(室)
  • こけ(苔)
  • ひと(人)
  • いぬ(犬)
  • うへ(上)
  • する(末)
  • ゆわ(硫黄)
  • さる(猿)
  • おふ
  • せよ
  • えの
  • えを
  • なれ
  • ゐて

たゐに

  • 大為尔伊天
  • 奈徒武和礼遠曽
  • 支美女須土
  • 安佐利[於]比由久
  • 也末之吕乃
  • 宇知恵借留古良
  • 毛波保世与
  • 衣不祢加計奴

(田居二出デ 菜摘ム我ヲゾ 君召スト 求食リ追ヒ行ク 山城ノ打酔ヘル子ラ 漢葉干セヨ 工舟繋ケヌ)

いろは

10世紀~11世紀初頭、あめつちたゐにの2つが組み替えられ、いろはが成立しました。

五十音図は今日も使われていますが、いろはは衰退しました。いろはは、ただ仮名の体系を示したものにすぎず、発音の変化についていけなかったからです。

五十音図の成立

五十音図のはじまり

五十音図は言語音の分析にもとづいて作られています。

かつてサンスクリットを学ぶ僧侶たちがサンスクリットの発音を説明するために、日本語の音をサンスクリットに倣って子音成分母音成分に分解して整理したのがはじまりです。

五十音図の成立過程で、インドの古典サンスクリットを写した文字(梵字/ぼんじ)の一種悉雲字(しったんじ)の研究と、中国における漢字音の読み方に関する反切(はんせつ)という方法が大きく関わりました。

平安時代後期の基本音節

平安時代後期の基本音節は47音でした。

現在の基本音節のものにくらべると、「ゐ」と「ゑ」があって「ん」がありませんでした。「ゐ」 「ゑ」は平安時代にあった音でわ行の「い」「え」に位置しました。

「ん」はま行やな行が訛ったものです。

まとめ

現行の五十音図は清音仮名の46字からできています。

五十音図の歴史を振り返ることは日本語の古代音を知ることだといわれるように、日本語の音と関連しています。今日、辞書の配列や名簿などが五十音順であることから、五十音図が日本語順序の基本になっているのは確かです。

冒頭でふれたように、五十音図は国語学習や日本語学習の基本となる表です。

外国人を対象に行なう日本語教育では、動詞の活用が出るたびに五十音図を掲げて、かなり丁寧にくりかえし学習を行ないます。幼児教育の国語でも日本語教育の日本語でも、学習の早い段階で五十音図に慣れて(慣れさせて)いってください。

五十音図をしっかり言えるようになれば、活用からみた日本語の動詞グループ(動詞の活用)にもチャレンジしてください。

日本語を学んだり教えたりすることが難しい理由は、日本が漢字文化圏だからです。このあたりの事情を次の記事で触れています。

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