この記事では、家庭教育を豊かにして子供の語学能力を高める方法をご紹介し、オンライン学習の可能性とやり方をとりあげます。
とくに学習者と保護者の双方のコミュニケーション力を豊かにすることで、節約して言葉を学ぶ技術を考えます。
- 日々のオンライン学習を話し合う
- 親や保護者も自分の勉強をする
- 子供が楽しめる学習サービスを用意する
- 子供と楽しめる学習サービスを用意する
ギフテッド教育の必要性
ギフテッド教育とは
昔から日本では「落ちこぼれ問題」が重視され「吹きこぼれ問題」は軽視されてきました。《無能に能力を!》という標語ばかりが掲げられ、有能を発掘する教育(ギフテッド教育)は未発達です。
ギフテッド教育といっても教育費が高いだろうという不安は必要ありません。
教育機関は知識や考え方を学ぶ場所です。この点で公立も私立も関係ありません。ギフテッド教育が進まない理由はお金の貧困ではなく子供の学習環境の貧困にあります。
コロナ禍にさいし、日本政府は年収が960万円未満の子育て世帯にたいし、子供一人当たり10万円を配る分配政策を実施しました。
多くの保護者も間違っているところですが、金を配れば(金があれば)教育水準が上がるという勘違いです。
お金よりも学習環境を整備することが学校でも家庭でも大切です。
語学力にみる中国と日本の違い
私の親戚をみていますと、語学力にみる中国と日本の違いがはっきりします。たまたま、どちらの家族にも7歳の子供がいます。
- 日本に居住する中国人の親戚家族は、日本語の良さとしてヨミガナ(ふりがな)がついている点を褒めます。
- 中国に居住する中国人の親戚家族は漢字の読み書きを少しでも多く習得させるように家庭教育をしています。つまり、中国語の文章をヨミガナ無しで読ませるわけです。もちろん、欠かせる練習もします。
二人の7歳の子供が小学校を卒業する頃に学習している言語能力・語学力は歴然としています。
中国居住の中国人はたくさんいます。グローバル時代に日本で生まれ育った子供たちが21世紀を生き延びれるかどうか、この勝負どころは12歳までに決まってしまいます。
言語学習の12歳説
言語学習でよく言及されるのが12歳説です。12歳までに母語以外で第二言語も習得させるべきだとする説です。
これには賛否両論がありますが、12歳までは自然学習にまかせて習得させるのが良く、それ以降の年齢では論理的に文法学習を増やすのが良いと、オチは同じです。
この説を母語に適用してみますと、母語は自然に習得させることになります。
自然学習といっても双方向の会話もあれば一方向の授業もあります。インプットの宿題もあればアウトプットの歌唱だってあります。このような日常行為のなかで母語をどう学習していくか。
基本となる大切な行為がコミュニケーションです。
12歳説を私は高く評価しています。
小学・中学・高校と私立の一貫教育を受け、京都大学に進学した知人が言っていました。一番記憶力が高い世代は小学生と。彼自身も小学生の間に日本国憲法をすべて覚えました。
私は朝日新聞の天声人語を毎日写したくらいなので、恥ずかしくて仕方ありません…。
家族で一緒に学ぶ楽しい教材には「名探偵コナンゼミ|ナゾトキ×通信教育」のようなものもあります。
家庭内コミュニケーションから言語を学ぶ技術
言語を学ぶ技術で大切なことは、父親・母親や保護者と子供がコミュニケーションをたくさんとることです。
日常生活のなかで、保護者は子供に問いかけ、また問いかけられる関係を築きましょう。
親子学習の大切さ:コミュニケーションをとって親子で成長
遊んでいる最中なら「いま一緒に考えよう」「あとで一緒に調べよう」などと問題を共有して、いずれ解決したり前進したりする喜びを分かち合うことが子供の成長と保護者の成長を実現させます。
子供にとってモノを貰うことは嬉しいものですが、自分が忘れた頃に、保護者が共有していた問題を考えていてくれたと気づいたとき、子供は何事にも代えがたいプレゼントをもらったと感じます。
この感動が家庭でできるギフテッド教育のスタートです。
昔は親が子供に向かって勉強を教える(親子教育)か、放っておくか(放任教育)のどちらかでした。21世紀は親子が同じ問題を解決していく親子学習が大切です。
もちろん家庭環境によっては、なかなかコミュニケーションを取れないことがあります。しかし、一日一食くらいは会話をしながら食事ができると思います。
コロナ禍で縮小するコミュニケーションを埋めるのは学習環境です。コロナ禍ではオンライン学習の機会が増えました。
大学教育よりも大学進学までの教育がオンライン学習で注目されるされています。なぜなら大学進学によって一定の就職先が決まってしまうからです。
大学進学の基準となる偏差値教育の見直しは20世紀から進められてきました。しかし、今なお偏差値は学力を測るものさしとして活きています。
家族のつながりから言語学習へ
語学能力を高めるには父親・母親や保護者など家族の役割が重要です。
コミュニケーションや会話をとおして、まず国語力が磨かれます。
家族間のつながりが薄いと会話能力や言語能力が衰えやすく、外国語はもちろん、国語(日本語)の能力も乏しいものになります。
語学能力が乏しいと、高校進学や大学進学、それに就職において大きなデメリットになります。
家族のつながりを強調するのは語学の原点が言語であり、言語の原点が発声・発話と聴解だからです。
人はいろんな方法で他人とコミュニケーションをとります。このうち、言葉を介したコミュニケーションの基本は発声・発話と聴解です。
赤ちゃんは父親・母親や保護者の言葉をマネして自ら発声しようとします。そして聴解から反応をうかがいます。これが言語学習の原点です。
大学入試などで語学学習がどれほどリーディング能力を問うものであっても、リスニングとトーキングが無視されないのは、発声と発話が大切だからです。
家族のつながりが薄いと、発話や会話をする能力が低く、奇声を発するようになります。
魔の夕方・勝負の夕方
魔の夕方:奇声の急増と日本語教育
この現象は発話において障害の有無とは無関係です。発話能力や会話能力をもっていても単語しか発せられず、興奮すると奇声を発する子供たちはたくさんいます。
奇声の急増
2010年代には大学生にも奇声を発する子どもたちが増えました。大学再編のさなか、とくに都市部の大学で奇声を発しながら走り回る学生が急増しました。近所の方から苦情が出るということも大学あるあるです。
2010年代前半、日本の大学では日本語教育が重視されました。この理由は、外国人留学生が増えたことだけでなく、日本語が使えない日本人大学生が急増したことでもありました。
といっても、急増する日本語教育の授業を担った教員の多くは、突貫で集められた退職後の新聞記者たちでした。
高齢で考えか古い新聞記者たちの日本語が2010年代の日本人大学生に通用するはずがありません。2010年代後半には既に突貫型の日本語教育は大学から消えました。
道路族・敷地族からみた家庭内コミュニケーションの大切さ
古典や漢文が苦手というレベルではなくなった日本人の日本語能力や国語能力がかなり低下しています。とくに公立の小学校・中学校・高校に通う子供たちに顕著にみられます。
たとえば、道路族がスケボーやゴムボールで住宅街やマンションを徘徊し、敷地族がマンション敷地内を占拠してバレーボールをやりはじめたのも2010年代のことです。
2010年代はグローバル社会の受け入れることができるかどうかが個人や家庭のレベルで問われた時期です。
グローバル社会が定着することで語学教育のハードルは下がりました。IT(情報技術)が進歩して、楽しく画像や動画で学べる教材が増えたり、無料や低価格で学べるアプリがたくさん開発されました。
語学教育のハードルが下がった変化を受け入れた人たちは、語学学習にも積極的にチャレンジしています。
逆にグローバル社会へ意識的に関われない人たちは親であろうと子供であろうと、「会話をすればガラパコス」「発声すれば奇声連発」といった現象がいたるところで見られます。
奇声現象は、私立学校に通う子どもたちよりも公立学校に通う子供たちによく見られます。今まで何の選別もなく単に学年が上がる公立では、家庭のコミュニケーション能力が不問になるからです。
公立の小学校や中学校ではコミュニケーション能力を磨けません。ですから、とくに公立に通う子供をもつ保護者にとって、家庭内でコミュニケーションを取ることが大切です。
道路族・敷地族からみた家庭内コミュニケーションの大切さを実感したいところです。
ギフテッド教育の勝負は夕方
とくに平日の夕方や日曜の午後に子どもたちがスケボーやゴムボールでしか遊べない点に私がこだわるのは、次のような理由からです。
- 家族で遊ばない
- スケボーやゴムボールが発する音の大きさを自分で分からない
- 家でゲームやパソコンで遊んだり勉強したりできない
- 学習塾や習い事に行っていない
- 数人が集まっても奇声しか出さず会話をしない
夕方の過ごし方で子供の学力が決まってきます。保護者の方には明日からでも夕方学習を実践してほしいところです。
夕方の過ごし方はNHKも重視しています。
これまでEテレで放送してきた「おかあさんといっしょ」の開始時間を午後4時20分から午後6時に変更します。保育園児の帰宅ピーク時間帯に合わせるためです。
- 塾や習い事に行ったり自宅で本を読んだりスマホで勉強したり。
- 料理を親子でやったり、グラム計算だけ子供にしてもらったり。
- 家族会議という大げさなものではなく、単に話しかけたり質問したりする
一人で過ごすか家族で過ごすかではなく、どれだけ深い経験をできるかが夕方学習のポイントです。
勝負は夕方。21世紀のグローバル社会を楽しむ羅針盤です。
ギフテッド教育にむけて言語を学ぶ技術
赤ちゃんは父親・母親や保護者の言葉をマネして自ら発声しようとします。
家庭内でコミュニケーションを増やす。これが言語学習の原点です。
そのうえで、ギフテッド教育にむけて言語を学ぶ技術にあげられる姿勢が2つあります。
- 子供や生徒が楽しく学べる
- 子供や生徒と楽しく学ぶ
この姿勢をかなえてくれる学習方法を自然学習と文法学習に説明します。
自然学習と文法学習
先ほど、言語学習の12歳説にふれました。
12歳までに母語以外で第二言語も学習すべきかどうかで見解が分かれます。
しかし、だいたい12歳までは自然学習にまかせ、それ以降になると論理的な文法学習を増やしていく方法が良いという見解は共通しています。
近年はグローバル時代とIT時代のおかげで、外国語を学ぶ機会やツールがたくさんあります。ギフテッド教育にむけた節約して言葉を学ぶ技術は、これらの機会やツールを使って慣れていくことです。
自然学習型のアプリやサービス
自然学習といっても現地留学させるには時間も心配もお金もかかります。
よく使われるサービスが英会話学校です。生のコミュニケーションをとれます。
最近はオンラインでの会話学習が急速に広まっているので、これを使う一手もあります。
対面会話ではないので、ややニュアンスや仕草のフォローができませんが、録画視聴もできるなら、会話と録画の両方に注力できます。
録画込みかどうかが英会話レッスンのキーポイントになります。繰り返し学習やモチベーション維持にもってこいです。
また、ネイティブ環境に子供をおくことが難しいとき、どうすれば良いでしょうか。
英語に慣れる点でお勧めしたいアプリやサービスが次です。
- Rakuten ABCmouse…楽天が提供。5000以上のアクティビティがあり飽きません。チケット&ご褒美が与えられることで、やる気が出る仕組みになっています。ディズニーのコンテンツがあります。1年プランで9800円(1ヵ月あたり約817円)。
- NHK出版「ポケット語学」…スマホ1台で学習内容をしっかりと身につけることができる機能や工夫がたくさんあります。
文法学習型のアプリやサービス
文法学習型では英語学習がもっとも広く行なわれています。
英語学習には学習塾や予備校のオンライン講座を受講することが一手です。
- 吉田ジュニア…文部科学省が推奨するアクティブ・ラーニングをネットのライブ授業で行なうネット塾。双方向のコミュニケーションが可能なライブ授業で、チャットをとおして全国の受講生と匿名で討論できます。不登校や学習に不安のある中学生にも最適です。
社会人・シニア向けのアプリやサービス
- プレゼンス…短期間で結果を出すためのノウハウが蓄積されています。受講生は2ヶ月間集中的に英語学習に取り組めます。
- アップメイツ…英会話レッスン自体を自社提供し、指導経験豊富な英会話講師が担任でついています。英会話講師のFBなどをふまえたコーチングもあります。
- スパルタ英会話…グループレッスンが受け放題です。専属コンサルティングが3ヶ月つきっきりでサポートするので継続しやすいです。
- TOEFL・IELTS マンツーマンオンラインコーチング…アガルートが提供する短期集中型の英会話。オンラインでプロの英語コーチと外国人講師が、マンツーマンで目標点の達成まで伴走してくれます。
- ワンナップ英会話…ひとりひとりの目的やレベルなどに合わせてオーダーメイドでカリキュラムを作成。自分に合ったレッスンなので効率よくスキルアップをはかれます。体験レッスンからスタートできます。
- 英会話スクール「ECC外語学院」…レベルと目的に合わせた柔軟なレッスンコーディネート。
学習者の主体性を引き出すELICITメソッドが特徴です。定期的に生徒の英語力を見極めながら、入門から上級までレベルと目的によってレッスンが細かく分かれています。最適なレッスンプランで学習できます。無料体験レッスンWEB予約から始められます。
私がよく使う語学学習アプリやサービス
最後に私がよく使うアプリやウェブサービスをご紹介します。
中国語
中国語の学習でお勧めしたいアプリがスーパーチャイニーズとHSKオンラインです。HSK3級の受験勉強に使いました。
単語や短文の練習むきの中国語学習アプリ「スーパーチャイニーズ」
スーパーチャイニーズ(Super Chinese)は単語や短文の訓練に向いています。猿のアイコンがマークです。
マイクをオンにして果敢にチャレンジしましょう。せっかくなので大きく発話してAIチェックを受けることをお勧めします。
基本使用料は無料で、有料コンテンツもあります。
模擬テストむきの中国語学習アプリ「HSKオンライン」
HSKオンライン(HSK Online)は問題形式が本番と同じなので、毎日が模擬テストのような具合です。発話をしませんからマイクはオフでもOK。
どちらのアプリも、勉強時間の記録や勉強予定のガイドがついています。ペースメーカーになります。
また、間違った問題は記録されるので、弱点克服に集中する学習方法もあります。
基本使用料は無料で、有料コンテンツもあります。
翻訳ソフト・翻訳アプリ
百度の翻訳精度が高くてお勧めです。無料で使えます。
英語
NHK出版「ポケット語学」
「ポケット語学」の学習コンテンツは、過去に放送されたNHK語学講座のテキストやCD音声を編集・再構成したものです。
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